「薬膳カレーと普通のカレーの違いって何ですか?」後編【質問コーナー】

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こんにちは。LOHAS JULIAの楠木まみです。

前回のつづきからはじまります。

 

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材料の検証(2)

カレー香辛料の効能

 

では、具材をひとまず置いておき、基本のカレー粉やガラムマサラの中身をみていきます。

先ほどのS&Bさんのカレー粉は、

 

ターメリック、コリアンダー、クミン、フェネグリーク、こしょう、赤唐辛子、ちんぴ、香辛料

 

これらの食材の性味から見た時、赤唐辛子においては大熱性で、そのほかは温性熱性など、とにかく全てが温める食材です。

ガラムマサラの中身について、これまた親切なことにS&Bさんのサイトに記載がありましたので参考にさせていただくと、

 

www.sbfoods.co.jp

 

ガラムマサラは、インドを代表するミックススパイスで、通常3~10種類のスパイスを配合して作ります。スパイスの配合に決まりはありませんが、主にブラックペッパー、カルダモン、コリアンダー、クミン、シナモン、クローブ、ナツメッグなどが用いられ、チリーペッパーを加えてさらに辛みを高める場合もあります。

 

カレー粉同様に、このガラムマサラの中のスパイスの性味も、熱性温性温める食材です。

 

ということは、基本的なカレーの効能とは、「身体を温め冷えを取ることが出来る」と言えます。

 

身体を温め冷えを取ることを想像したとき、汗をかくことが予想されますよね。

湿度が高い季節は身体がジメジメしやすいので、この発散作用をを利用して湿邪:しつじゃ(体内にこもった湿)を取ることも、薬膳学では効能のひとつとして挙げられます。

 

そして、これらスパイスの基本的効能は下記のとおりです。

  • 食欲増進や消化不良を促す
  • 神経痛や腹痛などの痛みの緩和
  • 血行を良くする
  • しもやけの改善
  • 殺菌、抗菌作用
  • ターメリックに関しては生理不順を整えることも期待できる

 

この時点でわかったことは、いわゆる薬膳カレーと名乗っていないカレーでも上記のような効能があると言える、ということ。

 

しかし、カレールーの場合、味を良くするために多くの食材を使っていて、しかも過剰な油脂糖分が沢山入っています。

なので、カレールー単体で考えた場合、中医学の弁証論治に基づいた「薬膳」という概念からは「かけ離れたもの」と言えるでしょう。

 

で、結局「薬膳カレー」と「一般的なカレー」の差はいったいどこにあるの?

基本の陰陽に立ち返って考える

 

様々な検証をしてきましたが、カレー全般に「身体を温め冷えを取る」という効能があることが判明しました。

 

でも、これは身体を温め冷えを取ることが重要だと考えられる人に対しては有効と言えますが、万人に対して有効なのでしょうか?

 

この答えは、身体の不要な熱を冷ましたほうが良い体質の人は、温性が行き過ぎる食材避けたほうが良いのです。

 

以前「陰陽編」でお話しましたが、人の身体も陰陽に分けることが出来、体質も陰陽に分けて考えることが出来るので、身体の不要な熱を冷ましたほうが良い体質陰虚と呼ばれ、この陰虚体質」の人が、毎日身体を温める食材を食べ過ぎたり、毎日カレーを食べたりすると陰虚症状が悪化していきます。

 

なので、熱証体質湿熱証の症状がある時は、香辛料を沢山使ったものは避けるべきと考えられます。

(例えば、湿疹やニキビがある、かゆみがある、皮膚や喉が乾燥しやすい、イライラしやすい人etc・・・)

 

どうしても食べたければ、お肉を豚肉にしたり、緑豆などの熱を冷ますことが出来る食材をプラスすれば、陰虚の人にも少しは優しいカレーになるでしょう。

(でもこれは薬膳ではないですよ)

 

もちろん、体質が変わったり症状が良くなればそこまで気にせずに食べても良いと思います。

寧ろ、この薬膳の法則を使えば日々の食材体質改善が出来るのですから、こんな素晴らしいことはないと思いませんか?

 

まとめ

 

話をまとめていくと、「薬膳カレー」「一般的なカレー」効能の差はスパイス自体にはないと言えます。

どちらにも「身体を温め冷えを取る」効能があるということがわかりました。

 

そして、その体質に合った人が食べる時にはじめて「薬のお膳」となるのです。

 例えば、冷え体質の人がいくら温性のスパイスを使用していたとしても、ゴボウのすりおろしが沢山入ったカレーを食べた場合、下痢をしたり頻尿になったりする可能性があるので、それは薬膳カレーですと謳っていたとしても、当事者にとっては薬膳とは言えないのです。

 

ちなみに、薬膳料理店のコースでは恐らくカレーは出していないと思います。

その時々のテーマ中医薬膳学に則って組み立てられている料理を出しているはずなので、食べた人が薬膳として成り立つようなされていると思います。 

全ての食材はになるが、使い方によってはにもなり得る。

「薬膳」とは中医学の理論を使った施膳(献立を立てること)のことで、何となく身体に良さそうだからとか栄養学的な観点から考えられているわけではないということ。

 

体質症状、その時の気候などを加味して食材を選んでいくことが「薬膳の基本」だということを、おわかり頂けましたか?

うまく説明出来ているかわかりませんが、質問を通して「薬膳」とはどういったものかをお伝えしてみました。

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。