台湾中医「三伏天」(さんぷくてん)【夏至】二十四節気の薬膳

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こんばんは。LOHAS JULIAの楠木まみです。

 

明日2020年6月21日(日)は夏至です。

 

 

夏至とは

夏至は二十四節気のひとつ

 

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二十四節気は黄経を15度づつに24分割した暦です。

 

太陽の通り道を黄道と言い、太陽が黄道の経度である黄経90度に到達した点が夏至点となり、

同時に太陽が北回帰線上(北緯23.5度)を直角に照らす時、北半球は一年で最も昼間の時間が長くなり、夜の時間が最も短くなる。

これが「夏至」です。

 

北回帰線は台湾の嘉義、花蓮の辺りにあり、夏至の日の正午は影が出来ないという不思議な現象を見ることが出来るんです。

台湾烏龍茶の産地である玉山阿里山もこの北回帰線上にあります。

 

台湾で一番高い山が標高3,952mの玉山で、標高3,776mの富士山よりも高いことから日本統治時代「新高山」と呼ばれていました。

 

高山と聞いて、お茶好きな方は「高山烏龍茶」を思いだすのではないでしょうか?

高山烏龍茶とは標高1000m以上で採れるお茶の名称で、産地は玉山のほかに阿里や梨山などです。

 

産地や摘む時期により味や香りが違うので、色々試してみたくなりますよ。

 

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台湾の夏至のことわざ

 

夏至,風颱就出世

夏至後已出梅雨季節而進入颱風季節。

 

夏至の後、台風の季節がやってくる。

確かに台風は夏から増えていきますね。

ここ最近は、台湾の台風被害より日本の台風被害の方が深刻ですね。。。

 

 黄帝内経から学ぶ

 夏の養生

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陰陽太極図で見た時も、陽が最も多いところが「夏至」ということになります。

 

夏三月,此謂蕃秀,天地氣交,萬物華實,夜臥早起,無厭於日,使志無怒,使華英成秀,使氣得泄,若所愛在外,此夏氣之應養長之道也。逆之則傷心,秋為痎瘧,奉收者少,冬至重病。

 黄帝内経 素問より

 

の3か月間を蕃秀(ばんしゅう)と言い、天と地の気が活発になって入り交じり、万物が咲き誇り実る時期である。

夜は少し遅く寝て、朝は少し早く起き、日の長いことと暑さを嫌がらず、精神的にのびのびし、怒らないよう発散させるよう努める。

これに逆らうと「心」に影響を与えることとなり秋に病になって表れ冬に病が重くなる

 

「夜は少し遅く寝て、朝は早く起きる」の意味

 

黄帝内経による夏の養生法に、「夜は少し遅く寝て、朝は早く起きる」とあります。

これは夜更かしするという意味ではなく、日の暮れが遅くなることから日の暮れと共に寝るという意味でこのように書かれています。

秋と冬は、「夜は少し早く寝て、~」となるのですが、日の暮れが早いので夏より早く寝るという意味になります。

 

中医学的には「寝る」ことが養生の基本中の基本で、夜23時までに就寝することが理想の養生法です。

 

夜の23時~1時は子の刻1時~3時は丑の刻で、子の刻の気は「胆」、丑の刻の気は「肝」です。

子と丑の刻に寝ていないと、胆と肝を十分に回復することが出来なくなり、精神的に落ち着かずイライラする原因となったり、不眠や多夢めまいや耳鳴り視力が落ちたりこむら返りなどを起こしやすくなります。

そして、夏の五臓の象徴は「心」であることから、心気を養うことが夏の養生には必要になってきます。

心は精神や意識、心臓、血脈を司ります。

夏は陽気が盛んになるので、陽気を発散させることが出来ず体内にこもってしまうと、秋になって肺が熱に侵され乾燥し空咳となって現れたり、血脈に熱がこもり湿疹できものが出たり、不眠胸部の痛み動悸などが引き起こされます。

 

 

夏の養生は、

  • 気持ちをゆったりもつ
  • クーラーで冷やし過ぎない
  • 軽い運動や外に出て適度に発汗させる(サウナや長風呂による過度な発汗は養生としては禁忌です)
  • 冷たいアイス、飲み物は極力避け脾胃を守る
  • 湿気を呼ぶ甘いものを控えめにする
  • 酸味があるもので除湿する
  • 生姜やネギ、紫蘇、香菜などの少し辛い香味野菜で自然発汗させる
  • 夜更かしせずに寝て、早く起きる

 

このようなことに気をつけて過ごしましょう。

 

 「三伏天」とは

夏の別名「三伏天」(さんぷくてん)

 

 「三伏天」は、中華圏での夏の別名小暑から処暑の間のことを指しています。

 

三伏天は十干庚(かのえ)の日に関係していてます。

庚は五行説の中では金に属されるのですが、夏はが盛んになり五行説で見た時に相克の関係で「火剋金」(かこくきん)となり、庚の日は“金が火に伏せられる”ということから凶日とされました。

 

五行説の相克の関係についてはこちらをご覧ください。

 

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夏至から数えて3度目の庚の日が「初伏」、4度目の庚の日が「中伏」、5度目の庚の日が「末伏」と呼ばれ、これを合わせた夏の3回の庚の日が「三伏天」と呼ばれます。

 

 2020年の三伏天は、7月16日~8月24日までの40日間となります。

「初伏」2020年7月16日~7月25日

「中伏」2020年7月26日~8月14日

「末伏」2020年8月15日~8月24日

 

台湾中医の「三伏天」

 

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台湾では中醫診療所と呼ばれる個人病院が街のいたる所にあり、そこでは中医学に基づいた治療を受けることが出来ます。

 

私も掛かりつけ医をみつけ、体調不良の時は中醫診療所へ行っていました。

診察だけではもったいないと思い、あらかじめ弁証論治に関しての質問など記載したものを持参し、中医学と薬膳の勉強を兼ねて診察に行っていました。

 

私の掛かりつけ中医師は女性の医師で、行く度に髪の毛の色が青になったりシルバーになったりとちょっとPOPでロックな中医師で微笑ましかったです。

私の悩みにいつも応えてくださる心優しい先生でした。

中医師になる方は台湾人でも日本人でもちょっと個性的な人が多い印象です。

 

台湾の中醫診療所では「三伏天」の日に冬の養生の準備をします。

 

冬傷於寒,春必溫病;春傷於風,夏必飧泄;夏傷於暑,秋必痎瘧;秋傷於濕,冬必咳嗽。

 黄帝内経 素問より

 

冬に寒邪に傷つけられても直ぐに発病せず、春になって陽気が出てきた時に温病となって現れることがある。

春に風邪に傷つけられても直ぐに発病せず、夏に下痢をする要因になる。

夏に暑邪に傷つけられても直ぐに発病せず、秋に痎瘧(マラリヤ)になって現れる。

秋に湿邪(中国では秋の手前が長夏の為)に傷つけられても直ぐに発病せず、冬に咳の病となることがある。

 

 

これは中医学の整体観念に基づいた理論で、中医学には「夏病冬治」「冬病夏治」という概念があり、夏に冬の病の予防をし、冬に夏の病の予防をしなさいということを言っています。

 

ふたつ前の季節に「病気にならないように免疫力を高める準備をする」ということです。

 

そして三伏天の治療は、このような症状に効果があるとされています。

 

《小児》

喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、胃腸虚弱、上気道炎、発育不良、体力低下、活動力の欠如、免疫力低下など。

《成人》

風邪予防、アレルギー性体質、虚弱体質、冷え予防、慢性下痢、疲労倦怠、気管支喘息、慢性の咳、慢性気管支炎、腰痛、EDなど。

 

この中醫診療所では、三伏天に辛温作用(温める作用)のある中薬を粉にしたものを丸剤にし、経穴(ツボ)に置いていき、その上に絆創膏のようなシールで貼って固定させ皮膚から薬剤を吸収していきます。

 

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三伏天の「初伏」「中伏」「末伏」の初日から3日間の日程がとられており、その中から1日づつ選び、全部で3回の治療を受けます。

更に強化したい場合は2回追加することもできます。

 

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貼ってから1時間くらいで剥がすのですが、当日はお風呂、シャワーは出来ません

 

台湾中医の湯舟論(泡澡)

 

台湾では日本のようにお風呂に浸かる習慣が温泉以外は基本的になく、シャワーがメインなのですが、中医師の話の中で、”湯舟は避けシャワーのみ”が良いということと、湯舟を利用する場合、”長く浸かることは避けるよう”にと言われたことがあります。

日本だと湯舟に浸かることが身体を温める養生というイメージですよね。

 

避ける理由は二つあります。

1.湯舟の中で雑菌や細菌に感染する危険性がある

2.汗をかきすぎることにより体表の衛気(えいき)が弱まり、そこから邪気が入り風邪をひきやすくなる

というようなことでした。

 

細菌感染については、私たち日本人の経験法として心配する必要はあまりないと思いますが、汗を過剰にかきすぎることは衛気を弱める原因になり、やはり養生に直結しないように思います。

 

私は湯舟に入らない生活はちょっと考えられないので、台湾に住んでいるときも湯舟付きの家に住んでいましたが、どちらにしても免疫力に関係していると思うので、体調が良くないときや疲れ過ぎているときのお風呂は控えていました。

でも、私たち日本人にとって湯舟は生活から切り離せませんよね・・・。

 

中医学には場所、時間、人を考慮する「三因制宜」という概念がありますので、習慣の違いも重視すべきですね。

 

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『 冬に健康でいられるかは、夏の養生次第 』

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。