「端午節の厄除けできる中薬って?」後編【端午節】中華圏の節句

 

前編からの続きになります。

 

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端午節の厄除け

香包の中身

 

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実は香包の中身は中薬(漢方)なんです。

 

香包に使われる中薬は、作り手によって違うのですが主にこのような中薬が使われます。

 

艾葉(がいよう)

ヨモギ

経絡を温める、寒さを散らす、止痛、止血。

紫蘇葉(しそよう)

シソ

寒さを散らす、ストレス発散作用、魚介類の解毒作用。

香茅(こうぼう)

レモングラス 

解表(邪気を取る)、湿を取る、ストレス発散作用、止痛。

佩蘭(はいらん)

フジバカマ

香りで湿気を発散、夏バテ予防。

藿香(かっこう)

パチュリ

暑さを取る、湿を取る、吐き気止め、止痛。

石菖蒲(せきしょうぶ)

セキショウ

意識をはっきりさせる、精神安定作用、湿を取る、胃の不調を正常にする。

薄荷(はっか)

ミント

熱を取る、頭痛、目赤を治す、喉の調子を調える。

  

これらに共通しているのは香りが強いということ。

蚊は香りが強い植物には近づかない性質を持っているんです。

蚊避けに有効なレモングラスももちろん入っていますね。

 

実は虫除けも兼ねて春からゼラニウムとローズマリーを育てていますが、寝室に置いたらかなり良い感じで安眠♪

芳香安定作用となっているんですねぇ。

 

中薬マメ知識:その1

 

藿香は、「藿香正気散」(かっこうしょうきさん)の中に入っている中薬で芳香化湿の効能があり、藿香正気散は湿気の多い時にクーラーなどに当たり過ぎて風邪をひいてしまう時によく使われるのですが、湿のせいで胸苦しい時や、腹痛、嘔吐、下痢などを起こしてしまう胃腸が弱いタイプにも効果があるので梅雨から夏にかけてピッタリな方剤です。

台湾は湿気の国でしかもクーラーがガンガンに効いているので、藿香正気散は常備薬のひとつでした。

ちなみに新型コロナ肺炎の治療でも胃腸の不調と倦怠感が主な症状の人に対してこの藿香正気散が使われています。

漢方の風邪薬は葛根湯しか知らないなんてことを良く聞きますが、実は風邪だけでも20~30種類くらいの方剤があるんです。

なので、風邪=葛根湯は絶対にやめてくださいね!

 

そして、藿香はアロマオイルではパチュリになり、効能は殺虫、抗真菌、抗感染、抗炎症、消毒作用などで、ドライスキンや湿疹、シワにも効果があるそう。

そしてパチュリと言えば、シャネル、ジミーチュウなどの香水の原料としても有名です!

 

中薬マメ知識:その2

 

石菖蒲は、癲癇(てんかん)の方剤として使われる「定癇丸」(ていかんがん)の中などに入っている開竅薬(かいきょうやく)で、安神作用(精神安定作用)がある中薬です。

遠志(おんじ)と配合して健忘にも効果を発揮。

 

香りだけでも精神的な作用がかなりあるのはアロマオイルなどの効能でわかっていますよね。

日本ではアロマオイルは雑貨の類に分類されていますが、ヨーロッパでは医学として認められています

フランスでは扱いが厳しく薬局でないとオイルを買えないそう。

中薬でインフューズドオイル(浸出油)を作ることがあるので、考えてみれば納得という感じです。

 

 

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玄関に飾る厄除け

 

艾葉(よもぎ)と麥穗(いなほ)を家の門の上の方に飾って厄除けします。

 

日本の端午の節句でも無病息災の意味で菖蒲とよもぎをお風呂にいれるのをご存じですか?

私が子供の頃、母が草を準備してくれて菖蒲のお風呂に入っていた記憶があります。

当時は意味をよくわかっていませんでしたが、節句の行事なので特別感があって、いつもより長くお風呂に入っていましたねー。

 

中薬としての艾葉は、気血を調え、寒湿邪を取り除いて身体を温め、止血や安胎作用がある婦人科系の秘薬です。

この艾葉を含む芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)は、生理痛を治し、子宮出血や痔出血の止血、不眠症、貧血に対しての効能が期待できます。

冷えがある人の不正出血は、芎帰膠艾湯帰脾湯が合わせて選択されます。

よもぎ蒸しという韓国の民間療法も婦人科系の症状を改善することを目的にしているようです。

 

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食べる厄除け

 

端午節には五黄と言って、名前にが入る5種類のものを食べるそう。

台湾師範大学の中国語の教科書に「雄黄酒」(xiónghuángjiǔ)が紹介されてました。

 

他の4つは

  • きゅうり huángguā )
  • 塩卵の黄身鹹蛋 xián dànhuáng )
  • いしもち huáng yú )
  • 田鰻 huángshàn )

 

雄黄酒はヒ素が入った鉱物から出来ていて、床に撒いたり少し飲んだりしていたらしいですが、体調が悪くなったのでよもぎを玄関に飾る厄除けに変化していったとのこと。

こんな危険な習慣が昔はあったのですねぇ。

 

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端午節にまつわるお話、いかがでしたでしょうか。

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。